ワインと言えばやはり「樽」!
海賊船なんかで木製の樽からワインをドバドバ出して豪快に飲んだりする姿だったり、イタリアンのお店の外で樽をテーブル代わりにしてお酒を楽しんだり、そんな風景を子供頃から見ていてなんとなく「樽」=「ワイン」のイメージがあるのではないでしょうか。
さて、ワイン造りにどうして木製の樽が使われるのかご存知ですか?
木製の樽を使用する理由はまさに「熟成」。樽にしばらく保存して熟成させると、樽の成分がワインに抽出されたり、木の香りがワインに移ったりして味わいと香りが変化していきます。
今回はワインの熟成についてのあれこれをご紹介しようと思います。
木樽で熟成させる効果
木樽で熟成させることで得られる効果はいくつかあります。
一つはワインに樽の木の香り(樽香)がつくこと。
様々な種類の樽香とワインがもともと持っている香りの成分が重なり合い、豊かなで複雑な香りを作り上げます。
もう一つは、酸化による効果です。
木製の樽は完全に密閉されている訳ではありません。木の性質上、木目の間から空気が少しだけ入るため、ワインに極少量の酸素が送り込まれ、ゆっくり時間をかけて酸化していきます。
この効果で、ワインは複雑で旨味のある味わいへと変化していきます。
そして、色味については、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種である「アントシアニン」の化学反応によってワインの色が安定します。
ステンレスやコンクリートのタンクで熟成させる効果
熟成には、空気を通さないステンレスやコンクリートのタンクを使用する場合があります。
例えば、ワインやブドウ由来の本来の味を発揮させたい場合や、白ワインの熟成に用いることが多いです。
タンクは木樽とは逆で空気を通さないため酸化を防げます。
さらにタンク自体を低い温度に管理することが可能なので、ブドウの特長をしっかり出したフレッシュな味わいのワインに仕上げることができるのです。
ということで、木樽での熟成はワインに深みを与えたり、樽香をつけたい時などに行われ、タンクでの熟成はブドウの特長を引き出したい時や酸化させたくない時に選択されることが多いのです。
最後に
今回は樽熟成についてご紹介しました。
次回は木樽のタイプ、樽熟成で得られる香りの種類についてご紹介したいと思います。
また来週お会いしましょ~!