フランスワインで聞く『AOC』とは、Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)の略で、日本語では『原産地統制呼称制度』のことです。
うへ~、横文字ムズカシイ。
日本語にしても漢字ばっかりでムズカシイ。
と思ったあなたの為に、今回はそんな「AOC」をやさしく簡単に説明していこうと思います。
「AOC」とは?
簡単に言ってしまえば、「その土地はちゃんとルールを守っていますよ!」と国が正式にお墨付きをあげること。
インチキされた偽物のワインと本物を見分けるため導入されたワイン法の一つです。
シャンパンのお話が有名ですよね。シャンパーニュ地方以外で造られたスパークリングワインは『シャンパン』を名乗ってはいけない。
これは、厳しい厳しいシャンパーニュのAOCがあるからこそなせるわざなのです。
ちなみにAOCシャンパーニュの主な規則はこれ↓
- 厳しく制限された生産地域
- 使用できるブドウ品種は、「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「ムニエ」「ピノ・ブラン」「ピノ・グリ」「アルバンヌ」「プティ・メリエ」「アンフュメ」のみ
- ブドウの木の剪定方法は、「ロイヤ、シャブリ」「ギュイヨー」「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」
- 1ヘクタール当たりのブドウ収穫量を制限
- 圧搾で得る搾汁量
- 収穫時における最低潜在アルコール度数
- 「瓶内二次発酵」という特殊な工程を加えることで泡を発生させ、瓶内澱熟成期間は「ノンヴィンテージワインで15か月」「ヴィンテージワインでは36か月以上」
これは絶対に守らないといけないルールです。この規定をクリアしたワインだけが、品質を保証されたAOCワインとして『シャンパン』を名乗り市場に出すことができるということです。
AOCはその土地によってさまざま
例えば、フランスを代表するワインの名産地ボルドーには、その土地土地のAOCが60もあって、各AOCのテロワール(畑の場所・土壌・気候・造り手)を反映したさまざまなワインが造られています。
他の産地でも各土地のAOCが存在し、その規定を守って素晴らしいワインを造っています。
ちなみにAOCワインは、ラベルに必ず『Appellation ○○ Contrôlée』という表記があって、○○の部分には登録された原産地名が入ります。ワインショップなどに行ったときに見てみると面白いと思いますよ。
最後に
今回は簡単にざっくりとAOCについて説明しましたが、入門編としてのわかりやすい部分のみ書かせていただきました。
ここからさらにEU加盟国共通のワイン法『AOP』や、同じ位置づけにあるイタリアの等級『DOCG』、ブルゴーニュの格付けのお話などまだまだ繋がってまいりますので、それはまた別の機会に説明できたらなと思います。